Yoko

パンズ・ラビリンスのYokoのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
4.4
1944年、フランコ政権下のスペインはゲリラとの内戦で荒廃していた。
戦争で父を亡くした読書好きの少女は陸軍大尉と再婚した母とともに森に隠れた砦に移り住むことに…。

苦行なる現実に立ち向かう術としての物語。
その物語を最後の最後まで信じる力を持つ少女。
今作のお話は、彼女の彼女による彼女のためのモノであるとしか思えず、即ち脚本(ファンタジー部分の)の粗さは意図的に仕組まれたものかもしれない。
ぶどうのくだりやパンの手のひら返しにしたって、かなりご都合主義的で展開上の動機が存在しているようには見えない。
ただ、これはもう彼女による物語であり、そう展開するならばこちらはそうとしか言えない。
ファンタジーの持つ力を改めて実感させられる作品。
Yoko

Yoko