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パンズ・ラビリンスのellieのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
4.3
見終わったあと衝撃でしばらく立ち上がれなかった。

現実の過酷さから脱出するための幻想の入り口に立つパンが、善悪の両義的な存在として描かれ、主人公の完全な味方になり得ないところがこの映画の肝なのだろうと感じる。
途方もなく怖くて不気味で哀しくてグロいのにどうしようもなく美しい。
圧倒的な黄金の光のなかに一人佇む主人公の孤独を思うと、たまらなく切なくて胸が痛かった。
結局、誰が彼女を救い、何が彼女に永久の幸せをもたらすのだろう?
そもそも幸せの概念もまた両義なのかもしれないとすれば、あの終わりは祝福であると言えるのかもしれない
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