MASAYA

イヴサンローランのMASAYAのレビュー・感想・評価

イヴサンローラン(2010年製作の映画)
3.2
「ジーンズを私が世の中にだすことができなかったことが残念でならない。」

デニム好きなら誰でも知るイヴ・サンローランの名言です。

一本持ってますが、ラインの見せ方が非常に綺麗です。品質の「ディオール」なら、シルエットの「サンローラン」というところかなと。とりわけD-02は言わずもがなの名作ですね。「SLP」となった今でもこうして彼のこだわりは現代に引き継がれています。

ここから本題に入ります。
映画の中でも触れられてますが、また例のごとく、イヴ・サンローランの生涯と企業の沿革を説明しておきます。

1957 21歳という異例の若さでで「ディオール」の主任デザイナーに抜擢。

1962 「ディオール」を去り「YSL」設立

1966 プレタポルテラインである「イヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュ」設立

~省略~

2002 引退
オートクチュール部門閉鎖

2008 ガンのため死去

2012 エディ・スリマン再就任
アパレルラインを「サンローラン・パリ」へと改称

まず冒頭からいきなりイヴ・サンローランの引退記者会見から始まり、けっこう惹き付けられました。しかしそれが終わるとそこからは基本恋人であるピエール(男性)のただの思出話。イヴ・サンローランと関係のあった様々な人も映り、それぞれのエピソードを語りますが、関連性はあまりない。そもそもイヴ・サンローランが亡くなってからの作品なので、彼の映像はほとんどなく、断片的に残っていたものがたまに挿入されるといった具合。

正直に言います。ドキュメンタリーとしてのクオリティーは高くないと思います(イヴ・サンローランは好きですが)。彼の全てを知りたいというような人以外には退屈に感じてしまうのも仕方ない気がします。そもそも予備知識がないと入り込みにくい気がしました。最近観た『ディオールと私』『アルマーニ』といった同ジャンルのドキュメンタリーと比較してしまうと一貫性がなく、どうしても完成度が低いと言わざるを得ません。

でも多くを学べましたし、感動した言葉もありました。ピエールが「神秘的なことだが奇跡がクチュエリを守っていてこの日時に間に合わない者は1人もいないのだ。」と言っていましたが、なるほどたしかに、これは全コレクションに当てはまるのではないのかなと。『ディオールと私』でもそうだったが、それこそプロフェッショナルとしてのオートクチュールのプライドなのではないでしょうか。

あと数々の芸術品とそのオークションは一見の価値ありです。

そして個人的にはそろそろ「ディオール」でも「サンローラン」でも革命を起こしたエディ・スリマンのドキュメンタリーができてもいいのではと思う今日この頃です。