ちろる

続・男はつらいよのちろるのレビュー・感想・評価

続・男はつらいよ(1969年製作の映画)
4.0
クリップのため再鑑賞。こんな泣ける作品なのにすっかり内容忘れてました。
芸者の女に酔って産ませた子ども、それが寅次郎なんですが、この回ではその実母に会いにいくという伝説の回。
実母に会えたのもつかの間、感動の再会シーンどころか、あまりに想像と違う態度を取られて思わず
「誰が産んでくれって頼んだ!」とキレる寅次郎のショックのほどは計り知れないが、階段に呆然と涙をためて立ち尽くすお菊ことミヤコ蝶々の演技も堪らないほど迫るものがある。
この生みの母役ミヤコ蝶々との魂のぶつかり合い、そしてかつての恩師を演じた東野英治郎との掛け合いなど、大御所と渥美清との演技対戦が印象的で、この人間関係を丁寧で粋に描いているので、ラストはまるで小説を観た後のような充実感が得られる。

お前、さしずめインテリだなぁ??の名セリフもこの回で生まれた。
この回はちなみに山崎務さん。
この後幾度となくインテリに小卒の寅次郎がマドンナを奪われることの布石でもある。
舎弟の源ちゃんも突然存在感を増してきて、かわいい。
まだまだ若造でガキ大将ちっくな寅次郎を拝むのもたまにはいいもんだ。
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