いまだ逢ったことのない生みの母親が、京都にいると知らされた寅次郎。
母子の感動する対面を、密かに期待していた寅次郎だが…。
シリーズ第2作。
劇場版第1作がことのほか評判がよかったため急遽撮られた第2作…という位置づけらしいのだが、多くの人が認めるようになかなかどうして。
寅さんの内面を深く掘り下げた人間ドラマ。
毎回旅先で出会った「マドンナ」に惚れつつも、失恋するか身を引くかして成就しない寅次郎の恋愛模様を、日本各地の美しい風景を背景に描く。
1作のマドンナ冬子さんの天衣無縫ぶりに比べれば、こちらのマドンナ夏子さんは癒し系。
さくらとキャラがかぶるが感情移入できるマドンナだ。
前作では『男はつらいよ』の骨格のようなものが楽しめた。
エピソード形式ではあれど、寅さんのキャラクターは他の人との人間関係から推測して、ようやく分かるような状態だった。
しかし本作では、寅さんのキャラクターは寅さん自身との直接的なエピソードで掘り下げられる。
母親との関係。
親しくしてくれた恩師の死別。
悲しみに打ちひしがれる寅さんの姿が、いつものひょうきんな姿と重なって、より大きな器で感じられる。
映画とは言え寅さんの気持ちで感情移入をしてしまうと、とても辛く泣けてくる1面もあります。
まさに“男はつらいよ”です。
しかし、ただの喜劇、悲劇だけでは終わらせません。
メッセージ性もそれとなく込められてて見いってしまいました。
子供の頃は寅さんの話もよくわからなく興味無かったけど。
大人になったからこそわかる面白さがあります。
ちなみにこの時点で寅さんは38歳という設定らしい。
しかし倍賞千恵子さんカワイイ!
顔小さい!!
半分は倍賞千恵子さんだけを観るために観ているようなもんだったりして…。