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夜の蝶のmingoのレビュー・感想・評価

夜の蝶(1957年製作の映画)
4.0
来月ヴェーラで「自由学校」かかるし吉村公三郎の演出の美意識には絶大なる信頼を寄せざるを得ない、、、それに京マチ子と山本富士子の二大スターが火花バチバチに散らしてバーのしのぎを削るから面白い以外で感想が出てこないのも仕方がない。飄々としたいつもの佇まい船越英二、オシャレ衣装がとてもセンシティブな川崎敬三、2人の間で揺れる山村聰のチャラさ、青空娘でのお姉ちゃん役が印象的な穂高のりこ、イヤラシイじじいザ日本一小沢栄太郎、とお腹いっぱい。極め付けは芥川比呂志と近藤美恵子のウサギの血絞り。そしてそして船越の昔の音楽仲間として田宮二郎がワンカット登場。また女給たちの中には若き八潮悠子(綺麗)、叶順子、市田ひろみ等がいる。何より特筆すべきはストーリーはもちろんだが、宮川一夫のキャメラがとにかく凄まじい。ラストの芥川家でのシーンで、雨が降ってきた後にカメラが屋外に出て窓越しに3人を捉える視点移動はハッとするだけでなく、山本富士子の心情を魅せる物語の肝である効果的なショットであった。銀座の夜は京マチ子か、山本富士子かと、カーチェイスで山本富士子の眼に当てられる照明も素晴らしく、突如迎えるラストには呆気を取られる。それでもまぁ面白いからオススメしかできない、
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