三味線状態

クンドゥンの三味線状態のレビュー・感想・評価

クンドゥン(1997年製作の映画)
3.0
レンタルBlu-ray
ベルトルッチの『リトル・ブッダ』あたりと比べると、英語を喋ってはいるものの、亡命したチベット人を使った白人皆無のキャストなのでかなり硬派。こんなものをディズニー系列のタッチストーンで製作するには、対中共プロパカンダ色を薄めて、芸術映画のふりをしなくてはいけないわけで、そこを担っているのが撮影監督のロジャー・ディーキンス。映像が美しいのは間違いないが、彼の気質に題材が合っていたのかは、甚だ疑問で、スコセッシとの仕事もこれが最初で最後である。
砂で描いた曼荼羅のように、風に吹かれて消えて忘れ去られて行く映画群の中で、今作のフィルムグレインは今も生き残っているが、まったく面白くないのは、やはり問題だろう。
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