くぅー

迷子の警察音楽隊のくぅーのレビュー・感想・評価

迷子の警察音楽隊(2007年製作の映画)
3.8
文化交流のためにイスラエルのとある街に向かう、エジプトの警察音楽隊8名・・・空港でのお出迎えも無く、自力で目的地へ向かうのだが、案内所で地名を間違えたために、閑散とした別の街に辿り着いてしまう。
途方に暮れた一向は、たまたま立ち寄った食堂のマダム達の元で、一晩を過ごすはめになるのだった...

タイトルからして賑やかなコメディを勝手に想像してたら、全くの対極で・・・肩すかしを食らい、戸惑う方も多いかも。

しかし、言葉も満足に通じない家庭に分散して一夜を過ごす・・・そのぎこちなさと気まずさを前面に出しつつも、音楽や愛という人類共通の言葉での心の交流を、さりげなく見せる巧さにニンマリ。

そんなラストもごく普通に締めちゃってますが、それでもしっかりいい味を出しまくり・・・ほろ苦くて渋くて、でもどこか甘いワインの様な余韻に浸れました。

なお、キャストでは、将軍なサッソン・ガーベの存在感と、下っ端のサーレフ・バクリのコントラストが見所ですが・・・低温が魅力で、いい憂いを出すマダムなロニ・エルカベッツも印象に残ります。
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