ATSUSHI

ターミネーターのATSUSHIのレビュー・感想・評価

ターミネーター(1984年製作の映画)
5.0
そう、延々と追われ続ける恐怖がターミネーターの本質だ。幼い頃何気なく見てしまった赤く目を光らすロボットが這いながら瀕死の女性に付き纏うラストだけでもトラウマ級の衝撃だった。

どうしても人とのやり取りで自分の話になると必ず80年代が絡む。
「まだ生まれてないじゃん!」と言われながらも、映画産業が最も豊かだった時代に生まれた本作の全てに憧れてるのです。

カーチェイスシーンの曲なんて金属音がこれ以上格好良く聞こえる事はないだろうし、テクノアールで聴けるTanhee Kain & The Tryanglzはどれも神曲。YMOを始めとするシンセサイザー全開な音楽には否応にも心がときめいてしまう。

マイケル・ビーンのような黙って俺について来いな兄貴分な人にだって惹かれる。同年代に一杯いるチャラいのは論外。

現在では地上波放映は不可能な目玉のシーン等のゴアシーンが含む視覚的なバイオレンス、アクションスターとしてもカリフォルニア州知事としてもアメリカン・ヒーローとしての地位を築き上げたアーノルドが当初は文字通りの暴悪殺人マシーンであった事も、シリーズ内では二度と見れない。
あのT2ですらこれほど暴力的な側面は排除されてる。

当時はキャメロン作品の常連ともいえるビル・パクストンやランス・ヘンリクセンをはじめ、『グレムリン』の近所のオッちゃん、故ディック・ミラー氏だって顔を出してるのも面白い。最近こういった顔馴染みのある俳優がどんどんこの世を去っていくのは分かってても寂しい。

アイコニックな女戦士像として確立しているサラ・コナーにも若くて美しい日もあった事。逃げ惑うしかなかった女子大生がニューフェイトではターミネーターすら喰うキラーマシーンになるとは感慨深い。

こうしたディテールの一つ一つがグッとくるのが80sならでは。T2よりも思い入れがあるのはやっぱりこういう処なのです。

本年度公開のニューフェイトを持ってレビュー。