阪本嘉一好子

トラベリング・ウィズ・ゲバラの阪本嘉一好子のレビュー・感想・評価

5.0
スペイン語がわからず、このドキュメンタリーを追って、レビューを書くのは、おこがましいから、前もってそれを伝えておきたい。

個人的にはエルネスト(チェゲバラ)の綴った日記モーターサイクルダイアリーの完全版を読んで、ウォルターサレス監督のこの映画も観ているので、このドキュメンタリーの進行状態はわかるが字幕なしのためスペイン語が理解できないから片手落ちだった。監督はインタビューでポルトガル語(ブラジル語)を使っていて、これもまた理解ができず、途方にくれて動きを追っただけにすぎなかった。しかし、このドキュメンタリーでサレス監督の映画の中でのハイライトを見せてくれたので、私が心に残っていたハイライトと一致した。例えば、チリの銅山での米国の資本主義思想から産まれる不平等性やエルネストの誕生日のホセマルティの影響力のある中南米団結思想のスピーチや喘息の彼が向こう岸のハンセン病の住んでいるところまで泳ぐシーンなどだ。

ただ膨大な日記そのもののハイライトシーンは映画のように部分的なものではなく、全体的な描写を掴んでこの日記の中からエルネストの人生を変えた1952年。この旅は彼を医大以前の思想に戻ることができないほど、人生を変えた。

エルネストの親友アルベルト・グラナードが『モーターサイクルダイヤリー』の撮影に同行して、アドバイスをあげたり、当時の状況を説明したりしたらしい。エルネストは耳が悪く(音楽のリズムをつかめない)ダンスも踊れず、医者として、真剣に患者に取り組むし、日記も黙々とつけるようで、アルベルト・グラナードのような人生を楽しむ面白そうなタイプではなかったように感じる。

時間を見てモーターサイクルダイアリーの映画のレビューも書くつもりだ。