Jun潤

阪急電車 片道15分の奇跡のJun潤のレビュー・感想・評価

阪急電車 片道15分の奇跡(2011年製作の映画)
3.5
2021.06.27

「ボクの妻と結婚してください」三宅喜重監督、「おとなの事情」岡田憲和脚本、「フリーター、家を買う」有川浩原作、中谷美紀主演。

阪急今津線を舞台に、やりきれない思いを抱えた8人の男女の人生が交差する片道15分間の奇跡。

10年も前の作品ですが、これぞ会話劇の一つの完成形!な作品でした。
往路が描かれる10月と復路が描かれる3月の間に大きな動きがあれど、片道15分の
乗車時間に繰り広げられるのは些細な会話のみ。
なんの関係もない、ただ偶然乗り合わせただけの人の人生が交差して、劇的ではないけれど、一歩前に進む小さな変化が描かれていました.

それぞれが持つやりきれない気持ちについても、共感性が高かったり高くなかったり。
でも共感できて自分もやりきれないなと思っているからこそ、こんな奇跡の出会いを、電車内というありふれた空間に期待しててもいいのかななんて気持ちになったり。
コロナ禍で電車内で会話するなんて光景もほぼ見なくなってしまいましたが…。

ラストの時江婆ちゃんの説教と美帆と圭一のやりとりについてはなんだか2ちゃんのコピペ臭がしてちょっと落ち着いて見れなかったですね。笑
でも説教シーンはいつか誰かなんか言ってくれー!と見ている側も作中で乗り合わせた乗客も思っていたところにぶち込んできてくれたので、そういう意味での描写の積み重ねは良かったです。

今作にはまだで始めたばかりの有村架純や、絶好調期の戸田恵梨香、パンクで軍オタな勝地涼などキャスト陣にも見どころ満載でしたが、やはり主演の中谷美紀の美しさたるや…。
もはやため息も出ませんね。
Jun潤

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