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阪急電車 片道15分の奇跡のBのレビュー・感想・評価

阪急電車 片道15分の奇跡(2011年製作の映画)
3.5
京阪神在住の私には、阪急電車沿線は親近感をもって観れたけど、土地感に無関係でも入り込める作品。

冒頭にパラパラ出てくるこれからのオムニバス形式の主人公たち。
DVの彼氏に振り回される戸田恵梨香や、価値観の合わないママ友に必死で馴染もうとする南果歩、
田舎から出てきて関学の学生らに馴染めず孤独感を持っている勝地涼。
彼らは全然不幸でもないし、自分次第ですぐにでも方向転換出来る事ばっかりで、それをセンチメンタルに大袈裟にされてもなあとマイナス感情から見始めた。

が、うーん役者さんが良いのもあって、繊細に描かれていてとても面白かった。

一歩を踏み出せず、悶々としている彼らとは違って、自分の意志を貫いて行動する中谷美紀の結婚式討ち入りは、
痛いなと嫌悪感で見始めたけど、自分が納得いく為に遠慮せず相手に不快感を与えるのも、なんか悪くないなと違う観点を見せてくれて共感できた。

でもその中で、本当に可哀想だと思えるのは理不尽にいじめに遭っている女の子だけだった。

あと、素敵なおばあちゃん設定なんだろう宮本信子さんなんだけど、鼻につく品の匂わせ方と嫌味なまでの凛とした風情が最後まで好きになれず。
小さい孫に優しく寄り添えないおばあちゃん。常に厳しすぎて優しくない。
正論で正義感あるおばあちゃんが見せ場なんだろうけど、好きなタイプではなかった。やたら常識常識という言葉を振りかざすのも好きじゃない。
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