廃車がいくつも積み上げられた前で指揮棒を振ればヘッドライトがいくつも点いてオーケストラの演奏が始まり、その背後で彼女は青に照らされて綱渡りをする。ちゃちなセットだと言うやつがいるかもしれんが、美術や装飾の仕事に役者が全力で応えていたと思う。2人がセックスする前の長回しで激烈な赤い照明、カメラは引いていき、再び迫るとき、手前のランプ以外は消えそこに投げ捨てられた下着だけが照らされる。
クソ下手な歌を投げかける、ひたすらに愛を叫ぶ、その執念の切り返し。女が戻ってきたら暗い家にひとりでに明かりが灯るっしょ! そうだろ!
いぬが通りを横切って終わり。