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チャップリンの移民のSIのレビュー・感想・評価

チャップリンの移民(1917年製作の映画)
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2020.12.21
自宅PCにて鑑賞

移民制限法下のアメリカへ向けて出発した揺れる移民船で、チャップリンは貧しい母娘に金を渡し助ける。入国後、娘とチャップリンは無銭飲食をしてしまい袋叩きの恐怖に怯えるが、居合わせた芸術家に見初められ会計を済ませ、二人はその足で結婚する。

完全なサイレント。
30分の本編は大きく移民船パートとレストランパートに別れる。

移民船パートは、船の揺れが物凄い、とんでもないセット。
揺れで動く食器に、かわりばんこに口をつけるチャップリンと老人。
食堂で転げ回る婦人の上を、チャップリンが更に転げる。
なんだ、ノーランのインセプションのホテルシーンはこれのパクリか…。

レストランパートは、袋叩きにあう恐怖で床にへたり込むチャップリンを、ウェイターが椅子に座らせるも、すぐにへたりこむ繰り返しが秀逸だった。
やはり、チャップリンの動きは誰にも真似できない。

描かれる設定が圧倒的などん底だからこそ、チャップリンのキャラクターが輝き共感できる存在になる。
感染防御の名のもと、人権がたやすく奪われるこの今の状況も、
そういう意味ではチャップリンの世界に近いのかもしれない。
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