やま

夏の遊びのやまのレビュー・感想・評価

夏の遊び(1951年製作の映画)
3.8
あのゴダールが最も美しい映画というから、どんな作品なのだろうとワクワクしながら観たのですが、なるほどと。ゴダールは、太陽が照らす海が好きなのですね。
溝口監督の「山椒大夫」も思い出させられるし。彼の作品の「気狂いピエロ」も思い出す。

テーマは、「あの頃」。誰にだって甘く切ない「あの頃」がある。こうやってただイチャイチャし続けた素敵なあの頃。例えば、好きなあの子をただ見続けたあの頃。人それぞれ「あの頃」がある。でも「あの頃」というのは過去形であり、何かがあったわけだ。彼女にとって、あの事故がトラウマとなり前に進めない。しかしラスト、今の自分と向き合い、脱却する。大切な今があるんだ。

シンプルにいい話で、映像もバレエなど芸術を足し、海がとにかく綺麗なんだ。僕個人としては、あの事故が一番美しく映し出されているように感じれた。血だらけで倒れこむ彼。ワンワン。

まあただこの映画、僕の好きな映画の中の恋ではなかった。ただただイチャイチャしてるだけ。なんか素敵だなぁと映画らしいなぁと思わせられるような1シーンが欲しかったところ。他の人にはあるかもだけど。
でもそんなことより、海が綺麗で仕方ないんだ。
やま

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