農民を苦しめる悪代官。
その悪代官を襲い、額を斬りつけたのは十時来三郎(月形龍之介)。
来三郎は、悪代官の差し金に追われることになる。
が、彼らと戦って
”何のために斬る”
”飯を食うため”
”米は誰が作る”
とやり取りを繰り返し、次々、彼らを懐柔。
白馬軍団を結成。
その頃、悪代官は民の若い女を次々とさらって、お城の女中にする。
来三郎は、軍団を率いて助けに行くのか…
と思いきや、単騎で城内に乗り込み、若君を誘拐。
城の家臣たちが大騒ぎ。
来三郎は若君を抱えたまま、お濠の池へ飛び込んで逃げる。
さらわれた若君は来三郎たちから、農民の思いを聞き共感するが、
農民と城の軍勢は対峙。
まるで殉教者のように農民は磔刑。
十字架に縛られ、一人、また一人と晒し上げになっていく…
そこへ来三郎が白馬軍団とともに現れる!という話。
時代劇の父と呼ばれた伊藤大輔監督の作品。
戦前の娯楽アクション映画。
痛快でスピーディー。
なんと凄まじい迫力。
当時まだ技術が進歩していないのにどうやって撮ったんだ!?
長らく消失していたが、2002年に26分弱のダイジェストが発見された。
導入部は、忠臣蔵っぽいがその後は違う。
おそらく、前半にも白馬軍団を率いて戦ったシーンがあったと思う。
もしかすると、保管されていたフィルムが国やGHQの検閲でカットされたかもしれない。
そのシーンが残っていないことによって、意外な展開を生んでいる。
長尺版が見つかったら是非観てみたい幻の超大作。