南極に取り残されたタロとジロを含む15匹の樺太犬たちと、彼らを置き去りにした罪の意識に苦悩する観測隊員たちの心の葛藤を描いた実話ベースの感動作。
名作『キタキツネ物語』でその手腕を遺憾なく発揮した蔵原惟繕監督による大自然と樺太犬たち、そして映画史上初となるオーロラの映像は、ヴァンゲリスの音楽も相まって観た者の心を掴んで離さないだろう。
我らが健さんを筆頭に、渡瀬恒彦ら豪華出演陣の中には若き日の佐藤浩市の姿も見え、とりわけ夏目雅子の美しさには目を奪われる。
また『キタキツネ物語』でナレーションを務めた岡田英次が、第１次越冬隊長役として出演しているのも心憎い。
偶然にも本日５月31日は蔵原監督の誕生日であり、こうした記念日にレビューを書けることを嬉しく思う。
51 2021
