上海十月

秋津温泉の上海十月のレビュー・感想・評価

秋津温泉(1962年製作の映画)
3.5
図書館で岡田茉莉子の自伝を借りて読んだので本作を再見する。自伝の中でもメインとなるエピソードが多い。自伝を読んで見ると彼女の生い立ちを想起させるシーンが多かった事だ。100本目の記念作品にしたかったのがよくわかる。吉田喜重との出会いが女優人生を長くできた理由にも思えてくる。まあ不思議な映画だ。音楽がずっとチャラチャラ流れてくる。吉田喜重が音楽家に任せたのが原因なんだがヌーヴェルバーグらしい。ただ音楽無しのシーンがもっとあってもいい気がしますね。木下恵介の弟子なんで駅ホームのシーンや汽車のシーンは木下恵介を感じる。だめんずを好きになる美人温泉女将の話で、ナイチンゲール現象で好きなのか何だかわからん。温泉に岡田茉莉子が入るんだが、自伝を読むと由美かおる以前の入浴シーン女優は、岡田茉莉子だった事がわかる。なので「浮雲」でも入ってるんだと。追う恋と追われる恋を描いている点でトリフォーの様な作品。
上海十月

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