たく

ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習のたくのレビュー・感想・評価

3.5
最近「2」が公開されたとのことで、予習として公開当時話題になって未見の1作目を初観賞。
カザフスタンの片田舎に住む無知なボラットがアメリカ文化を取材しに行くドキュメンタリー風の作りで、彼がどう見ても洗練された知的な人物に見えるので無知という設定がすんなり入ってこないんだよね。
でもしばらく観ていくと、ドラマ仕立てで作り込まれた筋書きを演じていくボラット達の撮影風景を、何も知らない現場の人々にぶつけていくリアルな反応をドッキリみたく見せる主旨なんだってことが分かってくる。

ボラットが自身を露悪的なまでに非常識に見せかけて、それにオロオロする常識人の滑稽さを浮き彫りにする感じが悪趣味でちょっと乗れなかったな。アメリカに来たボラットがパメラに恋してひらすた追いかけて最後に失望するストーリーラインが、当時のジョージ・ブッシュ政権のイラク戦争の現実でアメリカに幻滅させられることに重ねてる感じがした。

ボラットが出会う人物みんなに頬にキスを迫るうっとおしい挨拶と、ウズベキスタンをめちゃくちゃ嫌ってるのがなんか笑った。
アメリカを象徴するような曲がいろいろ流れるんだけど、エンドロールの民族的な曲に本編に出てきた”Born To Be Wild”が重なるのが印象的。
たく

たく