たく

トロンのたくのレビュー・感想・評価

トロン(1982年製作の映画)
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小学生の時に映画館で観た。
大げさに言えば人生で一番ハマった映画。

まず公開前にレコード屋さんでサントラを見つけて、そこに印刷された画像の見たこともないような世界観に衝撃を受けて即ジャケ買い。解説文で「アルター・エゴ」って言葉を初めて知り、オケとシンセサイザーが競演する奇妙な音楽が癖になって繰り返し聴き、作曲者ウェンディ・カルロスが元男性(ウォルター・カルロス)と知ってますます興味を惹かれた。
プログラム達が着てる衣装の電子回路の模様をノートに模写したりして、オタクさながらだったね。

映画本編はもうワクワクしながら観て、断片から生成されるトロンに続いて「TRON」の題字が回転しながら迫ってくる冒頭から、ゲームセンターでライトサイクルゲーム内のコンピュータ世界に入っていく流れで完全にハマった。その後のクルーのハッキングシーンがまた最高で、彼がMCP側に捕まるまでが前半の見せ場。
書き出せばキリがないんだけど、中盤のライトサイクルでまた見せ場があり、そこから後半はだんだんシュールさが薄れてファンタジーっぽくなるのは物足りないところかな。フリンがゲートを操縦するシーンでYes/Noで2進数を表すビットの再登場はお茶目。
上映終了後、また観たくてビデオ屋を探し回り、3万円くらいする輸入盤の字幕無しのVHS版を親に買ってもらって何度も観たね。

コンピュータ世界の擬人化は「インサイド・ヘッド」の脳内の擬人化に匹敵する見事さ。
CGを本格的に使った初の映画で、今となってはリアルさは足りないけど、かえって独特の世界観が生まれてる。その後「スター・ファイター」でより滑らかでリアルなCGが出てきたときも、本作ほどの魅力は感じなかった。

ジェフ・ブリッジスを初めて知った作品で、彼がその後の作品で売れていったのは嬉しかったね。
たく

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