エリオット

賭博師ボブのエリオットのレビュー・感想・評価

賭博師ボブ(1955年製作の映画)
4.2
ジャン=ピエール・メルヴィル初期のフレンチ・ノワール。
といっても「サムライ」のようにゲキ渋ではない…が、そこがこの作品の魅力的なところだと思う。

モンマルトルで名の知れた初老の賭博師ボブ(ロジェ・デュシェーヌ)は運がないのか勘が衰え始めているのか、勝負してもかつての冴えがない。高級そうなアパートに住みスマートな身なりでいい車に乗っているが、若い女の子(イザベル・コーレイ)を拾っても自分が付き合うにはもう若くないと感じている。そんなボブが最後の大勝負としてカジノの金庫に眠る8億フランを狙うが…

冒頭から明け方のパリはモンマルトルのロケーションが素晴らしい。
全編にわたってロケの割合が多くドキュメントっぽい作りもいい。
音楽も必ずしも場面とシンクロしているわけではないがとてもおしゃれで印象に残る…

後半、カジノでボブが「賭博師」ぶりを発揮するあたりからのシーンは全く目が離せない。
ラストもあくまで「賭博師」らしい流れの粋な終わり方でため息(あとちょっとした微笑みまでも)が出てしまう。

ついでながら、男なら誰が見てもこの映画のイザベル・コーレイは好きにならずにはいられないはず…
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