LEONkei

賭博師ボブのLEONkeiのレビュー・感想・評価

賭博師ボブ(1955年製作の映画)
3.0
モンマルトルの街で素人相手にカードゲーム等で威勢を張るベテラン中年賭博師〝ボブ〟は、一世一代人生最後の大博打に出る。

ドーヴィルの鉄壁な防犯システムを誇る8億フランが眠るカジノ金庫に、仲間を集めさながら〝BOB's 11〟を結成しカジノ強盗を企む。

実際11人もいるかはあやふやな設定で『オーシャンズ11』とは描写もまったく違うが、ボブの冷静沈着まさに経験が物語る静かな闘争心はクールなリーダー〝フランク・シナトラ〟か〝ジョージ・クルーニー〟か。

薄汚れたモンマルトルの街の汚さは何も特別なことではなく、当時フランスはパリを筆頭に何処の街もゴミ屑が散乱し野良犬が多く糞がそこらじゅうある汚い国であった。

と言う話を当時のフランスに行った人や住んでいた人に聞いた。

その薄汚れたモンマルトルの街にやって来た田舎娘のアンナ役〝イザベル・コーレイ〟は、世間や大人の汚い世界を見透かし軽蔑しながらも結局同じ穴の狢でモンマルトルの街の姿を投影しているようにも感じる。

その小生意気な性格の中に可愛らしくあどけない表情を時折見せる姿は、映画の中だけでなく男達はこういう女性にコロッと魅了されてしまう。


人生はギャンブルそのもの。
堅実に生きるのも良し、大勝負を打つ生き方だって悪くない。

言える事は未来の事は誰も予測できないと言うことだ。

そしてここにまた大勝負を打った男を描いたフレンチ・フィルム・ノワールがある..★,
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