滝和也

ゴジラVSモスラの滝和也のレビュー・感想・評価

ゴジラVSモスラ(1992年製作の映画)
3.4
モ〜ス〜ラ〜♪ 
モ〜ス〜ラ〜♪

モスラ〜ヤ♪モスラ〜♪
モスラ〜ヤ♪モスラ〜♪

ドンガンカサ〜クヤン♫
インドム〜♪

「ゴジラVSモスラ」

誰が奴を止められるんだ!最早無敵となったゴジラに、最大のライバル、モスラが挑む!新怪獣バトラと共に!平成vsシリーズ屈指の興行収入を打ち立てた人気作。モスラの唄から今回もスタート(笑)何度目だよ…。

隕石が太平洋上に落下。嘗てメカギドラによって海中に没したゴジラは眠りから覚めた。そして巨大なサイクロンがインドネシアに直撃。インファント島では巨大な卵が地中からむき出しになった。その卵の調査のため地球環境管理局の手塚女史、その元旦那であるトレジャーハンター藤戸、島を開発中の丸友建設観光の安藤が向かう。3人はジャングルでコスモスと名乗る小美人と出会い、卵がモスラであり、嘗て封印したバトラも現れる事を知る。その話通り…北極ではバトラが目覚めていた…。

基本形はキングコングを模した昭和モスラ、モスラ対ゴジラを模したストーリーであり、やっぱり卵は日本に運ばれる(笑)当然ながら丸友グループが悪者ですが…ちょっとヒネリがあるのが平成ですかね。離婚した二人の話と絡めてコスモスの奪い合い発生…。基本に忠実でモスラが東京を蹂躙(幼虫なので蹂躙が相応しく…)。

ただ…冒頭の大一戦から三つ巴。太平洋上での孵化したモスラ、名古屋を破壊したバトラそしてゴジラ。東宝大プールが大活躍。海を上下しながら進む幼虫2体が素晴らしい。バトラかなり強いし…。ただ…こっから超展開が…。

深海の激闘からプレートの隙間に落っこちたゴジラはマントル内を移動、富士山火口から爆誕!確かに三原山火口から出てきた過去がありますが…最早火口落としのお家芸は使えませんね(笑)マグマでも平気な無敵野郎と化したゴジラに…モスラとモスラに説得されたバトラが挑む訳です。

地球の人々を守るモスラと地球を一つの生命体として護るバトラ…。横浜みなとみらいを決戦の地として選びます。地球環境の驚異であるゴジラに決死の闘いを挑みます。バトラが、モスラに説得され味方につく。バトラがダークヒーローになる瞬間がみなとみらいを上手く使い描かれてます。バトラのダークヒーロー的な犠牲心を出すのがこの戦いの肝。言葉は発しませんが…まるで…

「俺が何とかする!俺ごと封印しろ!」

と、言ってるかの如く…ちょっと、涙が…出そう。気合の自己犠牲に…。モスラにも新兵器が飛び出し、正に極彩色の大決戦でした。

今作はモスラを大自然の使者として描き、地球の環境破壊をテーマとして作られ、その中に人のエゴも組み込まれています。それを人間の愛、家族の絆が助ける内容になっていて、家族ずれや子供達には良い作品だと思います。

ただ…モスラの造形、羽のしなりなど円谷英二の天才さには届かず、また自衛隊の活躍場面が極端に少なかったり、物足りなさも感じます。またテーマは良いものの、やや甘さがあったり(丸友の社長は死なないし、悪過ぎもしないし…)一番受け入れられないのは中途半端なインディジョーンズをやらされた別所哲也さんでしょうか。前作はターミネーターのパクリで今回はインディと…やらんで良いようなパロディが邪魔ですわ。

ただ…シン・ゴジラまで平成のゴジラシリーズでは興行収入トップでしたし、受け入れられた作品だと思います。またモスラが別途シリーズ化したのはこれのおかげ。子供たちに人気のモスラ。正にゴジラ最大のライバルですね。


以下以前書いたレビューです。

これ、忘れてましたね。いちばんvsシリーズではお客様が入った作品。この成功体験がモスラシリーズにつながっていきます。子供にはモスラだ!と。確かにモスラ、バトラの水上の動きがいい。バトラの街を蹂躙するところも。メーサーヘリはこれしか出ない。出番もちょっと。でゴジラはマントル泳ぎ地上にって。ラドン以来の東宝のお家芸火口落としはもう使えない。当然蛾は孵化。でも何か物足りない。そうだ!羽根のしなりがたりない。如何に円谷英二率いる昔の特技チームが素晴らしいか、物語ります。で人の方ですが、別所さん、先輩何だよな~。面識ないけど。察して頂ければ。
滝和也

滝和也