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ゴジラVSモスラのHKのレビュー・感想・評価

ゴジラVSモスラ(1992年製作の映画)
3.7
ゴジラ映画シリーズ第19作目。監督は「超少女レイコ」の大河原孝雄、脚本は前作と同じく大森一樹、特撮監督は川北紘一さん。

ゴジラとモスラを本格的に戦わせること自体は別に悪いとは思わないが、何よりもそれまでは昭和ゴジラシリーズにおいて、いつも仲間役として一緒だったゴジラとモスラが戦うこと自体に抵抗を覚えていた人も多いかもしれない。(自分はミレニアムから入ったからか違和感はそんなになかったが。)

そんな看板怪獣を引き立てるために出されたダークフォースの黒いモスラ、バトラ。小さい頃見たときは怖かったけど、いま幼虫を見てみるとてくてく歩いて可愛い。

物語は、今まで以上に説教臭い。環境問題とか森林伐採だとかで日本の建設会社の社長を悪役として描いてしまうのは、ちょっと複雑である。

それ以上に主人公の後半の行動の方が目障りであった。養育費の為にあんなことするのもちょっとどうかしている。

そんなことより特撮班でっせ。序盤のモスラの卵の運搬シーンはスケールもでかく、何よりも途中孵化するシーンもかなりいい。その後の東京のビルを壊しながらはい回るシーンも迫力満点。

川北さんらしい俯瞰撮影はある種、町の破壊シーンや、光線の光がちりばめられるところが、派手でポップに見える。そこがとても川北さんらしい。平成ガメラとは対極で人間が出てこない分、非常に派手に見える。

終盤のバトラとゴジラの戦闘シーンは迫力があり、観覧車アタックなど川北さんらしい遊びのアイデア溢れる戦闘シーンがとても良かった。メーサーによる戦闘機や戦車の攻撃シーンも、後のガメラ2に通ずる熱さがあった。

終盤あのモスラがバトラを説得していたらしいけど、ある種ロボトミー手術して洗脳して操っているのでは?となんか訳の分からない解釈をしてみたり。

キャスト陣は宝田明さんとか出てて、ファイナルウォーズ以来見ていてとても良かったと思う。

最後は妖星ゴラスを止めにモスラ宇宙へ。夫婦も仲直りしてめでたしめでたしという終わり方。ちょっと物足りないとも思ったし、ゴジラが悪者としてあんな形で退場するのも、納得いかなかったが。

元々「モスラvsバカン」というモスラの単品をやろうと思っていたが、今でいうアベンジャーズ的なクロスオーバーをするためにゴジラを後出しで出したみたいですね。そうすればゴジラのあの活躍のなさっぷりも仕方ない。

ゴジラ成分が物足りないが、ある程度破壊シーンは迫力あって面白かった。CG版を差し置いて採用された特撮のモスラの成虫変身シーンはお勧め。
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