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現代人のmingoのレビュー・感想・評価

現代人(1952年製作の映画)
4.0
渋谷実の映画はやはり作りが普通じゃない。開始15分すぎてやっと主人公池部良が登場するんだから冒頭のくだりいるか?と思ったが後半にかけてしっかりのしかかってくるんだから凄い。面白いのは言うまでもないんだけど、とんでもなくダメ上司山村聰とその娘小林トシ子(勅使河原宏の嫁)との恋を一身に受けて奔走する池部良がニヒルな笑みを浮かべたり、スピーディーな展開や縦の見事な構図も相まって本作品で演技開眼したと言う池部に対し、観る方にも力が入る。本人が収賄殺人ついでに放火と悪事のすべてを尽くし、その場の愛人として山田五十鈴の貫禄は流石の一言。駅と合体した実家の本屋も悲哀を感じさせて良いし電車のガタンゴトンで子供の泣き声で消えたり演出に巧さがひかる。兄役の阿部徹はどんな役やろうがいつ観ても阿部徹。
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