Hagieen

月曜日のユカのHagieenのレビュー・感想・評価

月曜日のユカ(1964年製作の映画)
3.8
中平康監督、加賀まりこ主演。

横浜のナイトクラブで人気者のユカ。様々な男たちの視線を浴び、また関係も持つ。
キスだけは許さず、教会に行くという信心深さもあった。
付き合う男の中で貿易商を営む初老のパパがパトロンでもあったが、彼には家族がいて日曜には会うことができない。
そんなユカとボーイフレンドの修が日曜のデート中に家族と一緒で幸せそうなパパを目撃する。
日曜には会えないパパだが、月曜は自分のパパだと執着を見せる。そんなユカに嫉妬をみせる修だったが・・・

全体的にコミカルでおしゃれ。街並みこそ古いしモノクロだが古さを感じさせない。
また加賀まりこのキュートさは、小悪魔的で現代でも通じる。この作品の多くの魅力は加賀まりこによるものだと思う。
文豪・川俣康成がゾッコンだったのはうなずける。
そしてもう一つの見どころは、加賀まりこの相手役の修を演じた中尾彰だ。
本作がデビュー作なだけに、初々しい演技とワイルドさとナイーヴさが混在した魅力を放つ。

戦後、女手一つで外人の相手をすることでユカを育てた母は、女の喜びは男に尽くすことだと教える。
父を知らないユカは言われた通り男に尽くすが、愛というモノを求めながらもそれが解らない。
多くの男は身体を求めるが、修だけが真剣にユカを愛する。しかし当のユカはそれが解らない。
ある意味、ユカは純粋すぎて鈍感なのだ。
コミカル、おしゃれな作風でありながらラストはショッキングな展開で印象深い。
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