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美女と野獣のbennoのレビュー・感想・評価

美女と野獣(1946年製作の映画)
4.2
コクトーの抒情詩的映像で魅せる『美女と野獣』

ディズニーの同作は未鑑賞ですが、想像するに本作とは違い、きっと子供も楽しめる作品なのでしょう。

冒頭、コクトーは「この作品は大人に向けた御伽噺」と表現しています。

« C’est un peu de cette naïveté que je vous demande… »
 (みなさん、子供たちの持つ純真さを少し持って欲しいのです…。)と…

先ず、オープニング…黒板を消しながらのクレジット。コクトー自身が出演者の名前を黒板に書くと、その出演者がすかさずそれを消します。そこからすでに心を奪われます。

モノクロならではの明暗の美しさも計算されたようで、光と影のコントラストに見惚れます。壁穴から突き出した腕が燭台を持ったり、彫像が人間であったり、スローモーションや動く床…コクトーのシュールなセンスも随所に光ります。

多少大袈裟な演技も舞台演劇のようで…逆に優雅で上品…ベルのドレスや髪型もクラシカルでとても素敵です。

フランス版のレア・セドゥ主演『美女と野獣』は鑑賞済みですが、勿論映像も完璧…レアもとても美しかったのですが So EXTRA! …私は想像の余白があるコクトーの『美女と野獣』が圧倒的に好きです!

チューバッカに似ている野獣もビクッとすると耳が立ったり…とても愛嬌があり所々で笑えます。

ラストも感動! 美し過ぎます!


thanks to; JTK 師匠.•*¨*•.¸¸ ◡̈*
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