Moeka

美女と野獣のMoekaのレビュー・感想・評価

美女と野獣(1946年製作の映画)
3.8
美女と野獣の映画で1番好きなのはコクトーのこの作品、原作に忠実にするとベルの家族設定もシンデレラみたいというのが面白い。この映画のベルは読書好きにも見えずすごく心優しい少女というようにもみえず、野獣はいたって紳士。コクトー作品で多用される鏡がベルと野獣の視点を重ねるところで、またオルフェのように割れる。人の腕を使った燭台やライティングで野獣の城は死後の世界のようにおどろおどろしく、反して宝石がちりばめかのような美しいベルのドレスが印象的、ふわふわとスローモーションで動くたび暗闇に浮かび上がる幽霊のようにみえなくもない。愛は人を醜くも美しくもする。恋人も野獣にも恋心を抱いていたベルをみてああ恋愛ってこうだよねと思った次第です(適当)しかし戦後間もなくナチスに占領されていたフランスで自らのイマジネーションを惜しみなく幻惑的に描いたコクトーはNatural Born Artistだよなあ
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