ショウコ

籠の中の乙女のショウコのレビュー・感想・評価

籠の中の乙女(2009年製作の映画)
4.2
意味不明でシュールにすりゃいいってもんじゃねーよ!「ワケのわからない世界観」だけで高評価されるんなら私がすごいの作ってやるわ💢
…と最初は思ったのですが言いたい事に気付いてからはどんどんトリハダが立つ。鋭くて意地悪で…最高のブラックコメディでした

家から一歩も出ずに育った子供たち(と言ってもハタチぐらい)&無菌状態をキープしようと奮闘するパパママの間抜けな姿を描いた話で、物語構造は自我に目覚める人工知能とかその辺と似ています。
でもロボットではなく人間なので自我の芽生え方も一筋縄ではいかない。これが予想も付かない形で…ずっとガッツポーズしながら観ておりました✊
グレムリンを観たばかりだったもんだからテレビに影響されたギズモとダブってめちゃくちゃ面白かったです

教育者は偏った両親しかおらず子供は狙った通り素直に育つ。ただし精神年齢は幼いまま…性知識も制限されてきたため「兄妹で」事に及んでしまう。
親は親で、自分の子供なのにまるで「犬」でも躾けてる様だし自作自演までしてまぁ滑稽だ事!

…と観客に思わせたら勝ちな映画






この長女の行動が、私の学生時代の後輩(女)そのまんまなんですよ

彼女は宗教家の親にほぼ温室で育てられ、自分の非常識さの原因が「宗教以外の事を教わらなかったから」と高校生時にようやく気付いて棄教した人。
そこから世界を知り始めたのでトコトン常識がズレており、でも素直かつ知識に貪欲だったので話してると面白くて仕方なかったっけ…とんでもエピソードは星の数ほどあります(時間にルーズだったので付き合いは途絶えた)

日本でも学校に通わせずホームスクーリングを取り入れる家庭が出てきてますが、欧米じゃ遥かに多い上、銃乱射事件からはさらに増えてるんだそうな。この作品はそんな「狭いコミュニティで人間が育つ事の危険性」を皮肉たっぷりに教えてくれています。可愛い子には旅をさせろと分かりやすく説教染めする事も出来たんでしょうけど真っ黒シニカルにしちゃうあたり性格悪い!👏「フラッシュダンス」はお腹抱えて笑いました

性描写がキツめなお陰で、本当に伝わるべき人が観ないタイプの映画になってるのも悪質だわ…
ショウコ

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