籠の中の乙女の作品情報・感想・評価

「籠の中の乙女」に投稿された感想・評価

ageless505

ageless505の感想・評価

4.1
教育と飼育の違い?教育と調教の差?
ふだん常識として信じて疑わない<何か>をブラックに逆照射する不条理コメディ。

幼稚な性衝動や暴力性や所有欲をまったく隠そうとしない子どもたち、見た目の年齢とのバランスを著しく欠いたさまざまな奇行。父親(母親もだが)の<支配>の行き届きぶりがキモイ。

と、観ていてハタと気づくこと、
自国の経済発展の名のもとに、他国のリソース搾取を正当化する植民地主義がかつてまかり通っていたこと。
ミサイル開発が飢えた民を救う道であると謳うアジアの小国は今も実在する。
竹ヤリで戦闘機を落とせると国民に信じこませた国もあったり。
自分の信ずる神=正義の名のもとに他者の命を奪うことになんら疑問を持たない精神性。
衆愚政治の根幹に思想統制や情報操作があることは歴史の示すところ。
いかなる視野狭窄状態も悟らせない隠蔽システムは至る所にある。

本作で子どもらを外界から遮断する夫婦のその創意工夫?ぶりは不気味かつ荒唐無稽で痛々しい限り。でも父親が長女やクリスティナに見せた<目には目を>的な行動はハッとさせられる。
決して自分とは無縁とは思わせない作品テーマと数々の寓意的なエピソードに魅了された。ラストの不条理さがたまらない怪作。
この監督の作品、ほんとすごい。日常や常識とかの裏側とゆーか、闇の部分とゆーか、そーゆーのを気持ち悪いほどに生々しく描いている。
常軌を逸した独自ルールの中に縛られた一家の話し。グロいところも多少あるので好みが分かれる。
カシコ

カシコの感想・評価

4.5
【過去記録】
めちゃシュール。
「家の中は最高!絶対にここから出ない!」みたいな軟禁を肯定する嘘の訳を教えながらfly me to the moonを聴かせるシーンが面白い。
外の世界を全く知らずに大きくなった子ども達。
なぜなぜ期に都合の良いようにはぐらかし続けるとこんな感じなのかな。

シュール過ぎて笑える様で笑えない。

このレビューはネタバレを含みます

ひと言で言ってしまえば、「奇妙な子育ての仕方をする家族の日常」。

画面上で行われているのは、両親共犯の元で子供たちに対する、監禁、洗脳、虐待。
とても歪んでいるし、あまりにも勝手で醜いことだ。

なのに笑ってしまう。
その行為の背景を考えればかなり不謹慎ではあるが、不意に差し込まれる面白描写につい吹き出してしまう。

庭に落ちる飛行機の扱い、結婚記念日のダンス、昨日のやつがいいというリクエスト、対するリアクション、アメリカ映画へのオマージュ等々。
一番のツボはビデオを見た長女へのお仕置き。そうくるかって感じ。

映画としては投げっぱなしジャーマン系の作品。
深読みすればいくらでもできるだろうし、そうでなければ、なんだっんだこれ、で片付けてもいいと思う。

このレビューはネタバレを含みます

全体的に雰囲気や世界観が好きで引き込まれた。し、なんだか不気味だけどその不気味な感じが癖になるというか、次は何が起こるんだろう、とかこの子達はどうなっちゃうんだろう…と観ていて楽しかった。
最後はトランクに入って一緒に外に出るけど、あのまま出ていく様子が無かったので死んでしまったのかなと思ってる。外の世界を全く知らないと、やっぱり人っておかしくなるんだなぁと思った。
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