イチロヲ

高校大パニックのイチロヲのレビュー・感想・評価

高校大パニック(1978年製作の映画)
3.5
学力至上主義への義憤を募らせている男子高校生が、教諭に対する発砲事件を引き起こしてしまう。進学校に通う生徒の造反を題材に扱っている、サスペンス・ドラマ。

四面楚歌の状態に置かれた主人公が、機動隊を相手に無軌道な反抗を続けていく。平均以下の学力をもつ体育会系の主人公が、高い学力をもつ文科系の生徒に向かって「おまえら秀才に何が分かるかー!」と食って掛かる。

「学力で人間の優劣を決められることへの反抗心」という観点では共感を覚えるけれど、体育会系に踏みにじられた経験をもつ著者からすると、感情移入は極めて困難。「君たちは人生で一番大事なときなんだぞ!」と戒める先生の立場のほうが理解できる。

惜しむらくは、主人公が学校内における「小さな革命家」となり、全校生徒を扇動する展開がないところ。一方、人質に取られてしまう女子高生(当時17歳の浅野温子)の、目を引くオーラは一見の価値あり。
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