カント

この森で、天使はバスを降りたのカントのレビュー・感想・評価

4.6
ヨソ者が町に変化をもたらすヒューマンドラマの名作。脚本優秀!女優陣も素晴らしい✨メイン州版「バグダッド・カフェ」と言っても過言ではない。

▼メイン州の空気感って独特で、メイン州を舞台にした映画は個人的に名作揃いな気がします。「ショーシャンクの空に」とか「八月の鯨」とか「ミスト」とか。

▼シェルリーを演じたマーシャ・ゲイ・ハーデンがとても良い。WASPの良き母親像を演じさせたらボニー・ハント。ダイアン・ウィースト。そしてマーシャ・ゲイ・ハーデンが個人的トップ3です。

▼メイン州の田舎町ギリアドへ、バスから降りた女の子パーシー。
ギリアドはペグマタイト(巨晶花崗岩)の宝庫だが採石しか取り柄のない何も無い町。※ちなみにペグマタイトからは、ベリル、水晶、トパーズ、蛍石、トルマリン、ガーネットなどの貴石も産出されますが、ギリアドの寂れ具合から勘案すると貴石は取れず岩石のみの採石場のようです。(鉱物鑑定士アタラクシアの意見)

パーシーは町で唯一の食堂スピットファイア・グリルでお世話になる事に。食堂の女将ハナは無愛想。保安官の口利きで仕方なくパーシーを置いてあげる。
ハナの甥ネイハムはヨソ者のパーシーを訝(イブカ)しむ。
▼そんなハナがケガをして店に立てなくなった。全く料理の出来ないパーシーを助けたのは甥ネイハムの妻シェルリーだった。
ハナには誰にも言えない秘密が有った。謎の人物(イーライ)に、切り株に斧を突き立てるのを合図に缶詰を渡す秘密のルーティン。ケガで動けないハナの代わりに缶詰を用意するパーシー。

▼パーシーは町の人々に受け入れられた訳じゃないけれど森の木々を愛するジョーやシェルリー、ハナと次第に打ち解けていく。
そしてパーシーは食堂の為に「作文コンクール」を提案するのだが……。
※バグダッド・カフェの手品に対して…本作の作文コンクール😅…何かと符合する物が多い。

前半は機微を丁寧に描くヒューマンドラマ。後半はサスペンスな展開。原作が有るかと思ったらオリジナル脚本なんですね。とても素晴らしい作品でした😊✨
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