コーカサス

オクラホマ・キッドのコーカサスのレビュー・感想・評価

オクラホマ・キッド(1938年製作の映画)
3.5
政府によって解放されることになったオクラホマを舞台に、悪党に父を殺された無法者オクラホマ・キッドの復讐を描いた古典西部劇。

ジェームズ・キャグニーを主役に、ハンフリー・ボガートが悪役として登場しているのもみどころ。
ともに1899年生まれの彼らは、本作以外にも『汚れた顔の天使』や『彼奴は顔役だ!』でも共演しているが、すでにギャング映画で絶大な人気を誇っていたキャグニーに対し、まだまだ脇役で燻る頃のボギーを同時に観ることが出来る貴重な作品でもある。

云うまでもなく、キャグニーは名優だ。
しかし、“ボギーファン”としては、どうしても彼の演じる悪党マッコードに目を奪われてしまう。
そのふてぶてしいまでの悪役ぶりと、全身“黒づくめ”の出で立ちは、あの『荒野の七人』や『ウエストワールド』で、ユル・ブリンナーが纏った黒い衣装の模範ではないかと思わせるほど、キマッていた。

またニューヨーク生まれの都会っ子であるボギーが初めて主演した本格西部劇であり、公開当時は「十番街から生まれた本物のアウトロー」と評されたのもうなずける。

4 2022