想像以上に良かった。
ひょんなことから1920年代のパリにタイムスリップした主人公が、そこでヘミングウェイやフィツジェラルドなどの偉人と出会い・・・
という粗筋から、もっとおちゃらけたコメディー映画かと思っていたら、意外にもしっかりと地に足がついた良質ヒューマン・ドラマだった。
って、今知ったけど、これアカデミー賞の脚本賞獲ってるのね。。納得です。
ストーリー上良かったのは、「本当の自分の気持ちに正直に」という普遍性の高いテーマを具現化しつつ、そう来たか!と思わせてくれるようなちょっとだけ意外性のあるラスト。そしてその余韻。めちゃくちゃ素敵。
個人的には、「雨の日の素敵さ」っていう超絶小粋なところに言及してくれたのも凄く良かった。
(私もそんな風に感じる日があるので)
また、こういう話につき、「過去にのめり込み過ぎず、ちゃんと今自分が生きている世界を見据えなきゃ」っていうメッセージになるのは必然だと思うんだけど、それを「見える化」する手法として「過去から更に過去に行く」という構成にしたのは本当にスマート。
私が憧れている時代に生きる人も、実は別の時代に憧れているという事実。
近頃の若いもんは、という言葉が古代エジプトの壁画にも書かれていたという話に近いような視点。
「結局隣の芝が青く見えているだけ」という相対化によって現在に視点をもっていかせるの、巧みですなー。
ということで、素敵な作品でした。
2点胸糞要素として、まじで奥さんとその家族のイヤさが巧みに描かれ過ぎていて本当にむかついてくるのと、あの探偵がかわいそう過ぎる笑
あれ、日中になっても戻れてないとうことだし、あの後確実にギロチンかまされてますやん笑