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ミッドナイト・イン・パリのろのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
5.0

「”現在”って不満なものなんだ。それが人生だから」


ウディアレン作品 初鑑賞!
パリの雰囲気を味わう贅沢な90分でした。

凱旋門、ルーブル美術館、チュイルリー公園、エッフェル塔、ポンデザール...
そして、ジヴェルニーのモネの家!!!
たくさんの睡蓮越しに見える太鼓橋のカットに心を鷲掴みにされました(*´ω`*)

晩年、睡蓮と太鼓橋を描き続けたモネ。
白内障と闘いながら、多くの作品を残しました。
今年3月、京都市美術館で開催されたモネ展。
展示会では珍しく「日本の橋(太鼓橋)」6作が比較展示されていました。季節や時間帯によって色と光が変わる。モネの白内障が進行するにつれ、抽象度が増していく。その変化がとても分かりやすく、素晴らしかったです。

そんなことを思い出しながら鑑賞していると・・・

オランジュリー美術館の登場にテンションMAX!
睡蓮の部屋の美しさに惚れ惚れしました~。
徳島県にある大塚美術館でも再現されているけれど、やっぱり本場パリで見てみたいなぁ(*ノωノ)



〈あらすじ〉
映画脚本家のギルは仕事に嫌気がさし、小説家を夢見る。そんな彼は婚約者のイネズとパリにやってきた。
ある晩、ギルが酔い覚ましに歩いていると古いプジョーがやって来て・・・



「懐古主義は拒絶だよ。苦悩する現代へのね」
本当はパリに住みたい。脚本よりも小説を書きたい。
しかし婚約者(現実)の存在に縛られ、自由に自分らしく生きることが出来ない。悩むギルの姿はロダンの「考える人」に投影されます。
そんな彼は今自分が生きている現代よりも昔の時代に思いをはせる・・・


1920年代のパリ。
そこにはギルが憧れるヘミングウェイやスタイン、ピカソ!

そしてダリの姿が━━━━(゚∀゚)━━━━!!
めちゃくちゃかっこいいし、もはや本人なのでは?と思うほど似ている・・・。
ダリ、ブニュエル、マンレイにギルは話します。
「僕は実は2010年からやってきたんです。現実では婚約者がいる。けれど、ピカソの愛人(アドリアナ)にも恋をしてしまった。僕はどうすればいいんだろう」
シュルレアリスムの彼らはタイムスリップをすんなり受け入れ(笑)会話を続けます。
マンレイ「”異時代の女性に恋する男”か。なるほど、写真が撮れそうだ」
ブニュエル「映画の題材になりそうだ」
ギル「どうにもならない問題なんです...」
ダリ「・・・見える、サイが・・・!」
ダリに関してはたぶんギルの話を聞いていない(爆笑)
そんなにサイが好きだったなんて初めて知りました(笑)



1890年代のパリ。
ムーランルージュのフレンチカンカン。
踊り子たちが羽の付いた帽子を被り、フリルたっぷりのスカートを持ってラインダンス。
あれ、これロートレックの絵にそっくりだなぁなんて思っていたら・・・ご本人登場!!!!!(本人じゃない)
うわーうわーーー!!!と大興奮で観ていると・・・
そこへゴーギャンとドガが合流!!!!!
うおーー!なんやこれはーーー!!!
憧れの画家たちが勢揃い!しかも動いている!!!
もう本当に嬉しくてたまりませんでした。感動!


「いかに今の時代が空虚で想像力に欠けているか」
ゴーギャンは言います。「ルネサンス期に生まれたかった」
どの時代の人もその時代に満足せず、つまり自分の生活に物足りなさを感じている。幸せは遠くにあるように思い、探し求め、憧れている。でも、その幻想を追い求めることで人は幸せになれるのか・・・?


ギルは決心します。
現実と向き合い、「自分を変える」選択をすることを。


パリの魔法が彼の背中を押してくれました。


黄金に輝くエッフェル塔。雨が降り出した夜更け。
「パリは雨が一番ステキなの」