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ミッドナイト・イン・パリのchihiroのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

溜息が出そうなほど美しいパリ。冒頭のシーンはまるで絵画を見ているようだった。

作家のギルが真夜中過去に戻ってヘミングウェイやピカソなど多くの偉人に会う。面白い設定で作品の世界観に引き込まれた。

ギルの婚約者イネスもその両親もポールも全部胡散臭くてどうも私も好きになれなかった。イネスはどことなく自己中心的だし浮気もしている。ポールは知識人ぶってて、彼が喋る言葉は全て嘘に聴こえてしょうがない。過去に逃避して美しいアドリアナと話をしたり、偉人たちに会った方がよっぽどいい時間を過ごせる。
異なる価値観を持っている人と付き合っているのは悪いことではないと思うのだが、あまりにもギルとイネスは正反対すぎるので、結婚を破棄して正解だったと思う。

誰しも過去への憧れはあると思う。過去に戻りたい、黄金時代を自分も過ごしてみたい。アドリアナも彼女の思う黄金時代にいたいと言った。でもそれは現実から逃げている。戻るのもいいけれど、現実と向き合って自分の取り巻く現状を、周りの環境を変えなければ進むことはできない。彼女もいつか気づく日がくるだろうか。

最後はレコード店のガブリエルと夜のパリで再会。雨が降ってきた中、傘も差さずに歩き出す二人に小さな恋が芽生えたような感じがして、微笑ましかった。

わたしもパリへの憧れが強いのだが、この作品を見て、やはりパリに行かなければいけないなと思った。作品中にモネの庭や睡蓮が出てきてよかった。
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