べえさあ

ミッドナイト・イン・パリのべえさあのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
4.0
“No subject is terrible if the story is true, if the prose is clean and honest, and if it affirms courage and grace under pressure.”
「真実を語っているなら、ダメな題材などない。その文章が高潔で正直で、窮地における勇気と気品を肯定していればな」

周りの方が幸せに写ってしまったり、懐古主義になってしまったりするけど、結局はできない理由を探そうとしているだけ。

自分が既に成し遂げていることや持っているものが世界の誰かにとっての夢かもしれない。だからって無理して現状に満足しようとしなくていいけど、今の自分と時代を否定して言い訳を探しながら生きていくのは間違っている。

劇中、歴史や芸術の知識をひけらかしていたポールだが、歴史は常にその時代の勝者が都合よく作り上げてきたものだからそれが絶対に正しいわけではない。本から得た知識だけで語っても、そこに自分の考えが乗っていないと言葉に魂が感じられない。

過去の偉人たちも自分が生きた時代に満足していなかったのなら、”黄金時代”なんてものはないのかもしれない。比較対象として意識してしまうものが存在するかどうかだけだと思う。

比較的短いし終始コミカルなのに、色々考えさせてくれる素晴らしい作品でした。

過去の偉人たちが登場するたびにギルが感激する様子が面白くて、次は誰だろうと予想しながら観るのが楽しかったです!
作家・芸術家としての道を歩んでいる過去の偉人たちと主人公がメインだと思っていたら、出演している女優陣が豪華で、恋愛要素も強い映画でした。訪れる人を恋愛体質にさせる魔法か何かがパリにはあるのでしょうか😅笑

実際は治安も悪いし全てが美しいわけではないと聞きますが、皆さんおっしゃっているようにこの映画を観てパリへとても行ってみたくなりました!