〜12時の鐘を合図にパリの"黄金時代"へ〜
絵画のようなポスターに惹かれ、以前から気になっていた作品。
冒頭から見事に心を奪われました。最初の数分間、セリフなしでパリの街並みの動画が音楽にのせて流れ続けます。
この部分だけ見ると、まるでパリの観光宣伝動画...
と思っていると、映像は昼から夜へ。題名にもあるように"ミッドナイト(真夜中)"になったところで物語が始まります((この始まり方素敵すぎる!!音楽も映像もめちゃくちゃ美しかったです...💗
〜主な登場人物〜
☆ギル・ペンダー(演: オーウェン・ウィルソン)
ハリウッドで映画脚本家をしているものの、小説家を目指して小説の執筆活動に励んでいる。婚約者のイネズ&その両親と共にパリを旅行中。
パリへの憧れが強く、パリに住みたいとまで思っている。とくに1920年代のパリに強い憧れを抱いている。
☆イネズ(演: レイチェル・マクアダムス)
ギルの婚約者。ギルと度々意見が食い違うことがあり、パリ旅行中ギルの行動に少々苛立っている。
パリに住みたいギルに対し、イネズはマリブ(アメリカ)に住みたいと思っている
大学時代、博学なポールに憧れていたことも。
☆ポール(演: マイケル・シーン)
大学で講義をするため妻のキャロルと共にパリへ。知り合いのイネズとパリのレストランで偶然再会する。豊富な知識を持っており、芸術作品について解説しながらイネズ達と共にパリを観光する。
☆キャロル(演: ニーナ・アリアンダ)
ポールの妻。ポールに同行しパリへ。友人のイネズと再会し、上記3人と共にパリを観光する
〜あらすじ〜
旅行中のギル&イネズはパリでばったり友人のポール&キャロル夫婦に遭遇し、共にパリを観光する。
観光先でポールが自慢げに知識を披露するのが気に食わなくなったギルは3人と別行動を取り、酒に酔ったままパリの街をうろついていると気がついたら迷子に...
真夜中12時の鐘が鳴った後、ギルの前に一台の車が停まる。「乗って乗って！」と誘われるままに車に乗ったギルが行き着いた先はなんとギルが夢にまで見ていたパリの"黄金時代"!?
有名な音楽家や画家、小説家など1920年に活躍した偉人たちに次々と遭遇するギル。
夢のような出来事に大喜びしたギルは、次の夜も同じ場所で待機し再び1920年のパリへ。
自作の小説を有名著作家のガートルード・スタインに読んでもらうためスタインの家を訪れるギル。
そこでピカソとその愛人アドリアナに出会い、彼女に一目惚れしてしまう...
現代と1920年を行き来するなかで婚約者イネズとアドリアナ、2人の女性に恋してしまったギル。
そしてある夜、再びタイムスリップしたパリで今度はアドリアナが"パリの黄金時代"と呼んで憧れていた19世期へアドリアナと共にタイムスリップ...!?
〜感想〜
私は旅行や美しい景色が好きだったのもあり、この映画はドンピシャで心に刺さりました...!!
とにかく映像が美しく、観た後しばらく『パリに行きたい』と思ってしまうほど🇫🇷
耳に残るパリの音楽、頭から離れない美しい風景など、この映画は内容以外にも楽しめる点がたくさん。
歴史上の偉人については、恥ずかしながら有名どころのピカソやヘミングウェイあたりしか分からなかったのが少し残念。
もっと芸術の知識がある人ならより楽しめるはず...!!
"黄金時代"について。ギルは1920年のパリを"黄金時代"と呼んで憧れていたのに対し、アドリアナは『そう？こんなつまんない時代が好きなの？19世期のパリこそまさしく黄金時代よ』と言った感じでギルとは違う意見を持っていましたね。
そしてさらにタイムスリップした先の19世期では「ルネサンスの時代が黄金時代だ」と。
現在を生きる人にとってその時代はちっぽけに思えても、違う時代の人が見たら「この時代に生まれたかったな〜」と思うのかもしれません。
これって不思議な現象ですよね。もしかしたら私たちが今生きているこの時代も後々「あの時代に生まれたかった〜」と憧れの対象として見られる日が来るかもしれない、と考えるとなんだかロマンがありますね。
そして超豪華な俳優陣！
レイチェル・マクアダムス、マリオン・コティヤール、エイドリアン・ブロディなどに加え、
フランス出身でフランス語も話せるレア・セドゥがパリジェンヌとして登場。
彼女が出ているシーンは少なかったものの、すごく印象に残りました。
そして1920年のパリで出てくるトム・ヒドルストン。ロキを演じているトムヒとはまた違い、気品があってとにかくかっこよかったです。
物語の内容としては、タイムスリップ系だと【過去で違う行動をすることで未来を変える!!】という今ドラマが放送中の「テセウスの船」のような展開(それももちろん素敵ですが)がありがちな中で、今作はただ純粋に主人公が当時の生活や人との交流を楽しむ、という内容なのもシンプルで良かったです✨
上映時間も約90分と気軽に観れる作品なので、気になった方は是非!!
