ーcoyolyー

ミッドナイト・イン・パリのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
3.9
ウディ・アレンを投影しているだろう主人公がルイス・ブニュエルに提案していたのは「皆殺しの天使」かな?あとドガの友達のバレエコスチュームデザイナーを探してるリシャールがわからない、ずっと探してるんだけどわからない実在人物?フィクション?誰?と元ネタでパッとわからなかったのこの2つくらいで、あとはウディ・アレンと私は同じ時代の同じ場所、ローリングトゥエンティーズのパリに、一方では新世界から、もう一方では極東の島国から憧れてるんだな、とよくわかる映画でした。ウディ・アレンと私の共通点「クラリネットが吹ける」だけじゃなかったよ!

とてもウディ・アレンらしい小粋で小洒落た仕上がり。「パリのアメリカ人」ってこういうことかと腹に落ちたよね。実際パリで見かけるとアメリカ人ってすぐわかるんですよ、表情筋の使い方がなんというかアメリカ人。欧州の白人と全然違う、顔の使い方がうるさい。笑い声もうるさい。ジャズ・エイジのアメリカ人も今のアメリカ人も一緒なんだろうな、ってほっこりした。でもあの雨模様は「雨の朝巴里に死す」も匂わせてんだろうなとしんみりもした。

これ、まずはいつものウディ・アレン節もきいてるのでウディ・アレンが好きかどうかでふるいにかけられるんだけど、そこから更に元ネタ知ってるかどうかで楽しめるかどうか全く変わってくるスノビッシュな映画なので、あの時代のパリに恋焦がれてる人とそうじゃない人で評価真っ二つになりそうだな、というのはわかる。ローリング20'sやベルエポックにめっぽう弱いけどルネサンスどうでもいいのでオチ以上にルネサンス期引っ張られたら少しキツかったかも知れない。ウディ・アレン好きなら当然このくらいの基礎教養入ってるよね、と投げられてそれが入ってなかったら敗北感と屈辱感に打ちひしがれそう…

そんな辛気臭さをぶった斬りそうなヘミングウェイ兄貴痛快でしたけどね、あれただの北方謙三だよね。いや、順番的には北方謙三がヘミングウェイリスペクトなのか。

ヘミングウェイ兄貴には現代パートのマンスプレイニング野郎のクソっぷりもぶった斬ってもらいたかったですね、ヘミングウェイ兄貴ならあの時代からあの車で現代にやってこれそう。あのマンスプクソ野郎はカミーユ・クローデル強火担の私を怒らせた。お前死ねほんと死ねロダンと一緒に社会的に死ねって怒らせた。

そういやこれなんでポスター作中に出てこないゴッホなんだろう?と思ってたら既に考察されていた。でも主人公(=ウディ・アレン)ゴッホかな…?売れっ子脚本家なのに…?自分なりにもう少し考えてみるわ
https://theriver.jp/midnight-in-paris-poster/
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