すずき

アトランティス/失われた帝国のすずきのレビュー・感想・評価

3.6
1914年、言語学者のマイロは海に沈んだ古代文明アトランティスの論文を学会に認められず、研究資金難に陥っていた。
ところが、冒険家であったマイロの祖父の友人で、大富豪のウィットモアにアトランティス発見チームにスカウトされる。
祖父が生前発見したアトランティスについて記した書を渡されたマイロは、それの解読に取り掛かる。
書物の謎は全て解けていないが、アトランティスへの場所が判明し、マイロは各分野のプロと共に、巨大潜水艦へと乗り込む…。

ディズニー長編アニメーション第41作。
今作は、アドベンチャーや古代文明、アクションにメカも登場の、男の子ロマン溢れる作品。
かなり日本アニメっぽい内容で、これまでのディズニー作品にあまり無かった機軸。人死にもかなり描かれる。
言いたい事も色々あるが、意外に悪くない作品。
前作「ラマになった王様」より断然楽しめたけど、Filmarksの平均スコアでは差をつけられてるのね。

今まで散々言われてる事なんだろうけど、「ふしぎの海のナディア」だよねコレ…。
いや、自分「ナディア」はほぼ未見なんだけどさ、それでも「ナディア」と被りまくってるのは分かる。
「オリビアちゃんの大冒険」で宮崎駿のパクリもしてたし、これも「天空の城ラピュタ」「未来少年コナン」と「海底二万里」のミックス、要は「ナディア」と元ネタが一緒なのかな、と思ったけど、流石に似過ぎでしょ。
結構ディズニーって、才能ある日本アニメ作家をチェックしてるっぽいから、庵野の事もチェック済みだったのかな?

しかし本作のヒロイン、「ナディア」で言う所のナディアである褐色娘キーダが全く可愛くないデザイン。
これが日本とアメリカの美意識の差か…。
メカニック担当の女の子オードリーは、曲線的なパーツで構成された割と可愛いデザインなのにどうしてこうなった。

日本アニメっぽい内容だから、他にも色々と日本アニメとの差異が気になる。
普段は気にしないんだけど、この作品に関してはディズニー特有のオーバーリアクションな身振り手振りが気になったり。
まあでも、日本アニメにありがちな面倒臭い設定や展開になったり、変にオタク臭くない所は良いかな。

吹き替え声優陣はちょっとイマイチで、本職声優が少ないキャスティング。
特に主人公のマイロはV6の長野博で、普通に喋る分には悪くはないんだけど、早口だと聴き取りづらい箇所も。
早口が多いキャラクターで台詞量も多い難しい役だから、プロの声優に演って欲しかった!

最後に野暮で細かくどうでもいい突っ込みを。
冒頭、黒板の上に腹這いで寝転がって、チョークで描いた地図がシャツに移ってしまうシーン。
その後振り向いて、シャツのと黒板の地図の消えた部分とを合わせるんだけど、シャツに移った地図は左右反転になってないとおかしいと思います!