垂直落下式サミング

サブウェイ・パニックの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

サブウェイ・パニック(1974年製作の映画)
4.8
職人芸が冴え渡る地下鉄パニック映画。
マーティン・バルサムをはじめ、個性派俳優の魅力が光る。冷徹なロバート・ショウやウォルター・マッソーのひょうきんさが物語を引っ張って行き、事件に対する市長の対応に見られる風刺性と、鉄道職員や同僚とのやりとりのなかにみられる洒落たセリフなど、みなぎる緊迫感とともに短い時間のなかに散りばめられたユーモアが動力源となって、物語が骨太なサスペンスやスリラーを伴いながらレール上を力強く走り抜けていく。この地味な映画の娯楽性はもまったく古びないことに驚いた。
そしてラスト。ドアから覗くあの眼光。必見です。