ニャンおっ太

アダプテーションのニャンおっ太のレビュー・感想・評価

アダプテーション(2002年製作の映画)
4.0
再鑑賞。実在するスーザン・オーリアン著「蘭に魅せられた男」を元にした映画化だけど......。媒介昆虫との共進化する蘭の生物学的な適合順応のAdaptationと物語を改作脚色し換骨奪胎するAdaptationのダブルミーニングのタイトル。まるでデヴィッド・クローネンバーグ「裸のランチ」のように物語を書く作者自身の過程を描く虚/実が混濁するメタフィクション。脚本のチャーリーとドナルド・カウフマン双子役をニコラス・ケイジが演じてます。作者がスランプに悶々するライトなコメディかなと思わせておいて、脚本家としての信条に反した世界に飲み込まれてゆく衝撃的過ぎるラストはエンドロール最後に感動の仕掛けが。この映画でアカデミー賞ノミネートされたドナルド・カウフマンの遺作です。現在チャーリー・カウフマンは小川洋子「密やかな結晶」を脚本化してますが、頼むから今作みたいにクセ凄Adaptationしないでくれよと願うばかりです。