MayuShimada

アダプテーションのMayuShimadaのレビュー・感想・評価

アダプテーション(2002年製作の映画)
4.5
巧妙〜
構成がおもしろい。

ストレートにジャーナリストが出版した本が映画になるまでのドラマかと思わせといて、終盤急にサスペンスっぽくなり、湿地でワニに遭遇するパニックホラーをちょこっとトッピングして、なんかモキュメンタリーのような雰囲気を出しつつ、最後の最後で「あれ?え?この人実在するの?しないよね…?」と観客の視点を翻弄。お前は悪戯の神かと言いたくなるような1作。

メリル・ストリープ可愛い。唐突に髪を褒められた時のソワソワしてる感じ可愛い。

自信の無い卑屈な自分と、オレ天才!モードに入った自分を愛情のある視点で描き、結局弱い方の自分を認めてあげるという意味では、"ヒット映画"の法則に則って主人公が自ら成長する筋書きになっている。
だがそれは悟らせない!なんて偏屈な脚本家だ!!←褒めてる

双子の弟として登場するドナルド・カウフマンの作る脚本にドンピシャなアドバイスするぐらいだから、彼はきっと王道も書けるのだ、もちろん。
だが書かない!だって好きじゃないもん!!
という心の声が聞こえてきそうな映画でした。おもしろかった(笑)

妖艶な魅力で人々を翻弄する幽霊ランが起点のはずなのにね…よくもこんな構成でうまくまとめられるものだ!
ラストカットの平凡で愛らしい花の花弁の開閉が拍手してるみたいで可愛かったです。

思い返せば思い返すほど不思議な映画だ…
MayuShimada

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