マリリン

望郷のマリリンのレビュー・感想・評価

望郷(1937年製作の映画)
3.5
【街そのものが巨大なスタジオ】
なんと異国情緒溢れる作品なんだろう。舞台はフランス領だったアルジェリアにある城塞の街カスパ。白黒だけれども、1930年代のカスパを訪れたような余韻に浸ることができる。
フランスの警察は何とかして大泥棒ぺぺを捕まえたいが、ぺぺは迷路のようなカスパの街に潜んでいて捕まえることができない。しかし、パリ育ちの豪華絢爛な美女に惹かれて、彼女と一緒にカスパの街を出ようとする。
興味深いのが、ぺぺはカスパの独特な街並みを潜伏に利用すると同時に、カスパに住む人々も味方につけているところ。男性だけじゃなく、多くの女性を味方につけている。しかも、若い人からお年寄りまで年齢は関係ない。大泥棒だけれども、街人から支持される貴重な存在がぺぺなのだ。
ぺぺというキャラクターとカスパの街に魅了されながら、物語はぺぺと美女との駆け引きと脱走というスリル満点な展開に変わっていく。
あー、カスパの街行ってみたい。
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