2021年映画締めはboid sound映画祭in新文芸坐さん
「俺は、まだ…」
以前は少し蛇足に感じていた村上淳さんのナレーションが、今まさに刺さってくる。
ロックバンドを懐古的に振り返ったりありがたがるのはどうも苦手なのだけれど、やっぱり自分にはミッシェルは特別なんだ。
映画館や家でも何度も見返している映像なのにboid soundで増幅された爆音「ドロップ」のギターの一音がスピーカーから鳴り出した瞬間に涙が溢れてきてしまった。
"俺たちに明日が無いってこと、はじめからそんなのわかってたよ"
いつも通りにロックンロールショーを粛々とこなしている様で、それでもこの日がいつもと違う事を思い出させる4人の表情。
ただただロックンロールが好きなニイチャンだった4人がロックそのものになっていった稀有なバンド
「ロックンロールリバイバル」なんて言葉が生まれる前、世界のロックの頂きに間違いなくミッシェルガンエレファントはいた。
そして、こんな高純度の奇跡みたいなロックバンドがこれ以上続いていく事もまたあり得なかったことも、この映像は残酷にドキュメントしてもいる。
ストイックなステージや演奏なのに、ありありと映像が浮かんでくる様なチバの歌詞世界はいつも映画の様だと思う。
ヨーロッパのロードムービー。アメリカンニューシネマ。フレンチノワール……
また、映画館で観たい。