emily

blueのemilyのレビュー・感想・評価

blue(2001年製作の映画)
3.8
高校三年生のキリシマは遠藤の事が気になっていた。いつも一緒に屋上で弁当を食べてる仲間の中に遠藤を招きいれ、二人はたちまち友達になる。キリシマは合コンで知り合った男の子に誘われるままホテルに行き、その男の子が好きだった友達から激しくなじられ落ち込む。そんな時遠藤が海に誘ってくれ、二人の距離はどんどん縮まっていくが・・・

 暗い色彩の中、フィックスカメラによる長回しを多様し、田舎の風景をしっかり映し、二人の横顔から感情の変化を捉える。二人で居る時は幸せ。二人で居る時はキリシマは遠藤の一番である。しかしそこに友人のナカノや不倫してる男が交わる。近づいたり離れたり、女同士の友情の脆さを見事に捉えてる。女の友達は一番でありながら、男が出現すればすぐに二番手に落ちてしまう。その切なさを繊細に描写している。二人の瑞々しい時間、ガードレールにもたれアイスを食べたり、ワンピースのために背丈を比べあいしたり、淡い恋と友情の狭間を自然の中に溶かし込み、海と青春を感じさせる美しい描写に魅せられる。

 恋をすることで強くなり、失うことでさらに強くなる。オカリナの音が二人の関係に寄り添い、遠藤を演じる小西真奈美の「へぇー」がオカリナの音と調和する。絶妙な恋と友情のバランスを最後まで保ち、女同士のそれの儚さにしっかり希望を見せてくれる。
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