おけい

ブルーベルベットのおけいのレビュー・感想・評価

ブルーベルベット(1986年製作の映画)
3.8
死ぬまでに観たい映画1001本 739番

再鑑賞。もう一度見返したいリストに上位してた作品なので『ツインピークス』鑑賞ついでにチョイスしました。

タイトルや色彩のセンスよ…。

切り取られた人間の耳を発見するシーンと暴力的なデニスホッパーの強烈さはずっと記憶に残っていました。ガス吸入器でラリるのは彼のアイデアだそうです。

人間の耳を野原で発見したジェフリー(カイルマクラクラン)が好奇心からいろいろ調べるうちに人妻ドロシー(イザベラロッセリーニ)の魅力に取り憑かれていき事件に巻き込まれていく…ストーリーはリンチにしては分かりやすいし、ラストもハッピーエンドなのでリンチワールドが苦手な人でも観やすい作品だと思います。ただ、セリフなどを介しての細かい説明が無いので、観る側に委ねるタイプの作品です。

しかし、ディヴィッドリンチってカイルマクラクラン絶対好きですよね。『ツインピークス』と言い彼の持つ2面性を生かすのが上手いなと感じます。イケメンウォッチャーの観点からすると、彼はいわゆるハンサムねと言われる好青年的な立ち位置ではあるのですが(ワイルド系が好きなワタクシの好みではないが…)ただそれだけでは終わらない不思議な魅力を兼ね備えており、このブルーベルベットでも遺憾なく発揮されております。

加えて本作でのドロシー(イザベラロッセリーニ)の妖艶さは最高で、彼女に迫られたら断る男子は居ないのではないでしょうか。

イザベラロッセリーニのような女優で暗部を描きつつ、ローラダーンの太陽のような明るさをぶつけてくる。主人公ジェフリーがどちらにも惹かれていく様が表裏一体でリンチらしいと感じました。
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