滝和也

世界中がアイ・ラヴ・ユーの滝和也のレビュー・感想・評価

世界中がアイ・ラヴ・ユー(1996年製作の映画)
3.6
舞台はニューヨーク、
ヴェニス、パリ
その美しき風景に
歌い舞い漂う恋愛模様

豪華キャストで贈る
ウディ・アレン初の
ミュージカルラブコメディ

「世界中がアイ・ラヴ・ユー」

NYに住む上流階級の風変わりな家族の織りなす恋愛模様を軽いタッチで描いたミュージカルコメディです。お互いに子持ちで結婚した大家族とウディ・アレン演じる離婚した旦那さんが四季折々に起こす喜劇を娘のモノローグで繋いで行きます。

ウディ・アレン作品は時に硬質で先鋭で時には優しく懐古的であり、変幻自在に見えますが、そのシニカルな視点は変わらない。男性には自虐的、女性への目線はいつも尊敬と畏怖が眩されてます。この作品でも女性は皆さん自由で、まぁ自由過ぎますね(笑)男から見た視点ですから、いつも女性とはわからないものです。

ただ…この作品はアメリカの古典的なラブコメディやミュージカルを懐かしむような明るい作品なので、シニカルさはかなり薄めです。劇中でおじいちゃんが言ってる様に(笑)今を楽しめと言う感じなんでしょう(^^)

ウディ・アレンの相手役は今回は元妻にゴールディ・ホーン、そして恋人にジュリア・ロバーツ。当時ジュリア・ロバーツは大人気でしたね。ただ今作はゴールディがキュートで素晴らしい。ラストのセーヌの美しさと言ったらないですね。全編コメディエンヌとしての格を見せつけてくれます。

長女にドリュー・バリモア。セクシーかつ笑える役で…相手役にエドワード・ノートン。衝撃のデビュー直後でいきなり彼の笑顔の歌で始まるので今のイメージからしたら、こちらも衝撃(笑)。間抜け役ですからね。

バリモアさん以外は皆さん歌ってますし、それぞれにメインがあるんですが…まぁそれなり(笑)レ・ミゼラブルの後に見てはいけない。ウィキみたら皆さん一生懸命歌っているのが…と言う表記ですからね。でも雰囲気皆さんあるんで悪くないですよ、楽しそうだし(^^)

因みにレオン直後の姫様ナタリー・ポートマンも娘役で出てますが…イマイチ目立たないかな。SW前ですもんね。

淀長さんは懐かしいアメリカ、ハリウッド作品を見たとして絶賛だったようですが、確かにそうですよね。マルクス兄弟ネタが歌もダンスもその題名もですし、そのコメディテイストは昔のアメリカのホームドラマみたいです。ミュージカルも古き懐かしきの感じですから。

ラストがとても素敵で加点してます。そんなに凄い訳ではないですが、あのベタなロマンチックさが好きなんですよね。
滝和也

滝和也