ウディ・アレンが初めてミュージカルに挑戦した作品です。軽い(今で言うと、チャラい)恋愛や男女関係を描きながら、ミュージカルという手法を用いて情熱的な恋愛のように見せるという、徹底してシニカルな映画に仕上がっています。それでも、セーヌ河岸での元夫婦のウディ・アレンとゴールディ・ホーンのミュージカルシーンがとてもロマンティックで、ミュージカルとして単純に見ても、十分に満足できます。
この映画でウディ・アレンは出演者全員が自分で歌うことにこだわったそうです。確かに、上手か下手かに関わらず、ウディ・アレンをはじめとして、ほとんどの役者は自分で歌っています。下手に歌うのも普通さや役柄を表すとしてそのままにしているし、ゴールディ・ホーン(元々ダンサーで歌も上手い)はわざと下手に歌うように指示されたそうです。ただし、ドリュー・バリモアだけはあまりにも下手くそだったので、歌の部分は吹き替えにしたとのこと。なんかかわいそうですね。