オルエットの方への作品情報・感想・評価

オルエットの方へ1970年製作の映画)

DU COTE D'OROUET

製作国:

上映時間:161分

ジャンル:

4.4

あらすじ

「オルエットの方へ」に投稿された感想・評価

CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

5.0
【最強《ゆるキャン△》映画】
北千住ブルースタジオのジャック・ロジエ特集に行ってきた。今回は2時間半あるとのこと。ガールズトーク2時間半も聞かされて本当に面白いのだろうか。

しかも、原題を確認(Du côté d'Orouët)すると明らかに『失われた時を求めて』1巻のタイトル《Du côté de chez Swann》から来ている。ハードなのでは?と身構えていた。

しかし、これが今年ベスト級の大傑作だった。

話は、パリの仕事場から始まる。退屈そうに働くOL。フランス人はバカンスシーズン間近になると「どこ行く?」「何する」とソワソワし始めるもの。このOLも例に漏れずワクワクしている。そして9月、バカンス開幕!女子友2人と徒党を組んで冒険の始まりだ!

ジャック・ロジエはふと思い出したかのようにプルーストのオマージュをやり始める。いきなり第四の壁を破り、女が、「この香りを嗅ぐと幼少期を思い出す」と語り始めるが、ここでもう『失われた時を求めて』要素終劇だ。全く、過去や思考実験により生み出される哲学云々も、サロンや美術云々もなく、ひたすらにガールズトーク、ゆるキャンを映すだけに徹している。

そして、このガールズトークとゆるキャンのフルコースが涙出るくらい面白かった。

日本人はバカンスで旅行に出ると、やれ買い物だ、やれアクティビティだと大忙しだが、ここに映る女子ーズは、何もしないのだ。

海があるのに「今日はだりーから外行くのやめない?」と言い始め、干物になったり、「私デブるからカロリー気にしているの。ほらこの本のカロリー表示見てよ!」と言いながらがっつり朝飯を食い、夜食でシュークリームを貪り食ったりする。酒も飲んでいないのに毎晩ドンチャン騒ぎ。「オルエット!オルエット!」って叫びながらダンスし始めたりするのだ。

日本人が考えるバカンスとはかけ離れたアンニュイさ。脚本などないかのようなホームビデオ感に野郎の私はドキドキしてしまう。

そして、転機が訪れる。


やあ!とエロい目をしながらヒョロ男が仲間になりたそうにこちらを見ているのだ。

なんと、女子ーズの一人の会社の同僚だったのだ。

彼は「奇遇ですな。まあなんかの縁だシードルを呑もう」と迫りよる。明らかにストーカーキモ男だ。そんな彼を女子ーズが弄び始める。ヒョロ男は、最初こそ透かしているが、明らかに緊張しており、「オルエット」を「オッオッゴボゴボ」と全く発音できていない。カジノに連れて行こうとしても、カジノ会場が廃墟だったりと全て空回りで追い詰められていく。そして、遂に嵐で彼のゆるキャン会場が粉砕玉砕された時、完全に力関係が逆転するのだ。

女子ーズは徹底的に男を弄ぼうと、塩対応しまくるのだが、このヒョロ男、M&粘着マン故しきりに迫りよる。

こんな果てしない闘いを、心洗われるような絶景を前に繰り広げられるのだ。すっかり、心奪われた。

もちろん、『アデュー・フィリピーヌ』に引き続き、ビザールなミニエピソードも満載。

これは実際に映画を観て確かめて欲しいのだが、やたらと鰻と闘います。劇中20%近くは鰻との死闘となる狂った描写に腹筋崩壊するでしょう。

ただ、起承転結も崩壊しホームビデオにしか見えない映画『オルエットの方へ』。ラストは胸が締め付けらるほど切ないのだ。これは、バカンスの終わりというサザエさん症候群に近い切なさなのだが、ジャック・ロジエはさらに一歩踏み込んで、失われた時を求める際に抱く感傷的気持ちを捉えた。

あっ、プルースト要素活きてた!

って訳で夏休みまであと2ヶ月に迫った今オススメな大傑作でした。土曜日にもかかわらず、観客が10人くらいしかいなかったので、是非北千住ブルースタジオに来て下さい!
木靴とか菓子パンを貪るくだりが全然おもろくなかったけど、男が再登場してから面白くなる。ヨットと台車の切り返しが一番食らった。
でも、ヨットや馬に乗ってる場面はカメラブレブレでこれでいいのかとは思う。前者は演者と同じヨットにカメラを置いたりしてドキュメント的に、後者は何頭もの馬を浜辺で走らせてなんとか乗り切ってる感じ。
ただ、馬の疾走なんかより、「女っ気なし」で男がいきなり海に走り出すのとおんなじ様に、シーンが切り替わったら、前触れなく冴えない男が浜辺をペタペタと滑稽に走ってる方がよっぽどよかったり。
EDEN

EDENの感想・評価

3.5
10/05/2019

At first, I was so annoyed with the girls. But the more I watched it, the more I felt like I was traveling with them.

It was so realistic that even though there are some moments that they seemed to enjoy the trip, they ended up being off at the end.

あと最初からドキュメンタリーか?!というカメラ回し
浮浪者

浮浪者の感想・評価

3.4
品性のかけらもないことが民衆なのだという、侮り。品性のかけらもないことが民衆なのだという、圧倒的事実。睥睨と事実のバッドマリアージュでしかない時間は、フィクショナル空間すらも、やらせドキュメンタリーへと堕落させてしまう重力が生まれてしまうものなのだなあ、という面映さのみ残存する。

これは幾分思い込みが過ぎる見方だけど、ロジエ映画の持ち味である「うざさ」は、「民藝」を好きになり始めた人間が一番最初に陥るような病が、全て内包されていることに起因してるのだと思えて、圧巻ではある。
本当にこういうのが好き。ホントに最高。
今年の夏は何処へもいきませんでしたが、これをみたので行ったことになりました
・破天荒女を楽しみたいならこれ
・夏の女たちに振り回されたいならこれ
・楽しいオフランスガール
atsuman

atsumanの感想・評価

3.8
キャロリーヌがかわいすぎた。
計画的即興の演出により、彼女らが本気で楽しんでいるので、見ているこちらも楽しくなるんでしょうね。
めぐ

めぐの感想・評価

5.0
これだから集団の旅行は嫌いなんだよなあ
オールタイムベスト人生ベスト。奇跡の映画。

ロジエさん三脚忘れたろ、というかバカンスしに行ったついでだろ。役者が素晴らしいのでなく人が素晴らしい。映りまくり起こりまくり。映像の力溢れすぎ信じすぎ。

猛烈キャロリーヌ推し。
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